海外に住んでいた頃の懐かしい記憶

海外に住んでいた頃の懐かしい記憶

私が今まで見た中で一番好きな映画「ノッティングヒルの恋人」←画像はアマゾンからお借りしました。

ちょうどこの映画が公開されていた頃、私は大学を卒業してドイツの免税取り扱い店で働いていて、同僚と一緒に近所の映画館で見たのだけど、全編ドイツ語で内容がさっぱり分からなかった。

日本に帰ってからちゃんと日本語の字幕で見てようやくストーリーが分かり、それ以来すっかりお気に入り映画に。

ドイツ人って字幕があまり好きじゃないのか向こうの映画は吹き替え版のものが多く、話すスピードが速すぎて細かい内容までは理解できず。

唯一言葉が分からなくても笑いながら見た映画が、当時大ヒットしていた「Mr.ビーン」だった。

まだ20代半ばだったので将来のこととかあんまりちゃんと考えてなくて、それでもこの先どうしようかなとは漠然と思っていた気がする。

当時私が働いていた職場はほぼ全員日本人だったのだけど、なぜか元料理人とか食に関する仕事をしていた人が多かった。

みんな日本食に飢えていたので、会社の誰かがお店にあるキッチンを使ってカレーを作ったり、同期みんなで集まって餃子パーティーしたり、そんな感じでけっこういろんなものを作りました。

私は実家が飲食店をやっていたのでそれまでほとんど家で料理をせず、お米の炊き方も分からなかったようなレベル。

ごはんよりパンが好きだし、別に問題ないと思って渡独したものの、すぐにお米が恋しくなって日本から炊飯器を送ってもらいました。

当時はインターネットもまだ出始めの頃だったので、レシピは本とか雑誌の切り抜きを取っておいて、初心者ながらいろいろな料理を作りました。

豚の角煮とか本格的なティラミスなんかも会社の人から教わって作った記憶がある。

その時に記録していたレシピノートは今でも時々使ってます。

ドイツで生活するようになって2年くらい経った頃には、昼の休憩時間に家に帰って(職場からすぐのところだったので)天ぷら揚げて、それを同僚に振舞うくらいにまでなっていました。

そんな中で料理がもっとうまくなりたいなと思うようになり、その頃ちょくちょく休みの日に一人でロンドンに遊びに行っていたので、いっそイギリスに料理留学をしようかななんて考えるように。

ちなみに、フランクフルトからロンドンまでは飛行機で片道1時間半とかそんなもんだった気がする。

イギリス料理はあまりおいしくないと言われてたけど、有名なコルドンブルーもあるし、イギリス王室御用達のシェフを育てる料理学校もあって、思い切ってその王室御用達の料理学校に通うことを決め、一旦日本に帰国することに。

帰国する直前には、料理学校の校長先生にアポを取って一人で面談までしに行ってきました。

今思うと、その料理学校のすぐ近くにヒーラーとして世界的に有名なハリー・エドワーズの治療院があったのだけど、当時はそんなことを知る由もなく。

それにしても、今思うとわれながら自分の行動力がすごい(笑)

でも、結果的にはその料理学校はロンドンから少し離れていて学校に通うにはどこかのお宅にホームステイをするしかないことが分かり、行くのは断念したのだけど。

ドイツ生活で海外の一人暮らしには慣れてしまったので、今さらホームステイとか気が重いな…なんて当時は思っていました。

計画通り一度日本に帰国して準備をし、その後ロンドンに渡ったのだけど、その時の最初の住まいがなんと冒頭の「ノッティングヒルの恋人」の舞台になった街でした。

とりあえず最初は語学学校に通ってから料理学校に行くか考えようと思っていて、申込んだ語学学校に住居を斡旋してもらったところ、映画のロケ地の街に住むことになって本当にびっくり。

映画の中でヒューグラントが住んでいた青い家とか働いてる本屋さんとか実際に存在していました。

骨董品がたくさん売られている映画に出てくるポートベローマーケットも家からすぐのところでした。

ちなみに舞台として主に使われている場所はノッティングヒルではなく、そこからちょっと離れたところです。

朝、早起きして2階建ての赤いバス(ダブルデッカー)に乗ってノッティングヒル駅まで行き、そこから今度は地下鉄に乗り換えて学校がある駅で降りるという生活。

毎朝、通る道すがら必ず「Good Morning!」って挨拶してくれる郵便配達員のおじさんと若い大工さんがいて、それがいつもちょっと嬉しかったことを思い出しました。

語学学校はお昼過ぎには終わって、あとは美術館に行ったり博物館に行ったり、友達とカフェ巡りをしたり。

休みの日には車を持ってる知り合いにロンドン郊外の田舎町に連れて行ってもらったり、お隣のスコットランドに旅行したりといろんなことを経験したけど、その頃には料理に対する熱はどこへやらという状態に(笑)

熱しやすいけど飽きっぽい自分の性格がもろに出てしまっていました。

それでも行動していたから悔いはないけど。

なんでこんな昔のことを書いているのかというと、最近アメリカに住んでる友達とやり取りをしていて、イギリスの話とかしてたら昔の記憶がポロポロ出てきて。

かれこれもう25年くらい前の話。

あの頃の行動力が今の自分と比べるとちょっと信じられない。

でも、別に今だってやりたいと思えば何でもやれるんだよな~と。

できないと決めているのは自分の心で、実際には体もまだ自由に動くし、時間だってそれなりにある。

壁を作っているのは自分であって、やるかやらないかなだけじゃんって。

アメリカで50歳からの人生を自分らしく自由に生きようとしている友人と話していて、背中を押してもらってるような今はそんな気持ちです。

人間いつか終わりを迎えるんだし、できるうちにやりたいことやらないと。

いつか行きたいと思ってるグラストンベリー。

絶対に行こう。

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